ボーマンダの曲射

社会人が綴る日常の中の非日常

【ゲーム感想・評価】『9-nine-』シリーズ

 

 

《今回もネタバレありです》

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年4月に第一作が発売されてから先月に最終作が発売され、完結したぱれっとが送る4部作(?)

 

『9-nine- ここのつここのかここのいろ』

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『9-nine- そらいろそらうたそらのおと』

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『9-nine- はるいろはるこいはるのかぜ』

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『9-nine- ゆきいろゆきはなゆきのあと』

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GWに暇だったのでとりあえず一気にプレイしてみました。

プレイのきっかけはなんとなく。

強いて言うなら和泉つばす先生の絵。

 

4作一つ一つの感想を書いていくと面倒なのでいつもと違う感じで、ざっくり言語化していきます。

 

 

 

 

 

まずシリーズ全体の評価としては

85点

 

まあ、点数は何となくの感覚で決めてるんですが、一応この点数に至った経緯をつらつらと書いていきます。

 

まず、総評としてこのゲームは

「現代エロゲの集大成」

っていう印象を強く持ちました。

 

いや、めっちゃ良さそうやん。って感じると思いますが、良くも悪くもです。

理由は後述します。

 

 

 

まず、優れている点…というかあんまり目立った欠点がないです。

 

4部作というのを最大限に活かして起承転結がしっかりしている。

第一作では全くの謎だらけの展開が徐々にわかるようになっていく伏線の回収。

最後に待っている熱い展開。

という風にストーリーは問題なく良い。

 

音楽もOPEDは良いし、BGMも問題なく良い。

キャラクター性もしっかりしてるし、和泉つばす先生の描くキャラはかわいい。

声優も(僕の好きな沢澤砂羽さんが起用されているというのもあるが)素晴らしいメンツ。

システム周りも問題ないし、分割商法故に「前作の話忘れちゃった」というユーザー向けのシステムもストーリーに違和感なく溶け込ませている。

(僕は基本的に興味ないんで飛ばしてますが)エロもかわいい絵とキャラが動くアニメーションでそれなりに充実してると考えていいんじゃないでしょうか。

 

要するに一つのエロゲとしてみたときに「分割商法であること」を除いて特に不満が出てこない。

ラスボスの詰め甘すぎない?とか細かいことはあってもそんなには気にならないです。

 

おそらくシナリオゲーが好きな人、キャラゲーが好きな人、エロゲ初心者などなどエロゲに少なからず興味がある人は(抜きゲーにしか興味ない人を除いて)多くの人が楽しめる作品ではないでしょうか。

少なくとも僕はオススメできます。是非プレイしてみてください。

 

 

 

 

と、絶賛するのはここまでで(ここからネタバレ要素が濃くなります)

 

「現代エロゲの集大成」と表現した理由は、どこかで見たことがあるようなシナリオ・展開・システムを総動員した作品だからです。

 

恐らくそれなりに美少女ゲームをやった人がこの作品をプレイしたら多くの人がそう思うんじゃないかなーと思ってます。

 

たとえを挙げるのであれば

過去に遡ってやり直すというシステムは『STEINS;GATE

ある日登場人物が異能に目覚めてという厨二病的導入は『11eyes

登場人物がプレイヤー自体に話しかけてきて物語を構成するという演出は『君と彼女と彼女の恋。

 

上に挙げたもの・作品に限らず何かしら既視感を覚えるものばかりです。

 

別にこれがパクリだとか、それがつまらんとか言うつもりは全くないです。

それにプレイヤーが面白いと思う要素を詰め込みまくって、うまくまとめて、実際に面白い作品に仕上げたのは手放しで称賛できる点です。

ポケモンの結論パでも単体単体は全く普通の性能してても、それをうまく組み合わせて強いパーティーを作る人ってすごいじゃないですか。特に目新しいギミックがなくても

 

ただ、要するに新しい刺激みたいなものは一切ない。

シナリオ展開や世界観として唯一無二性やシナリオライターによる強い主義主張、そういうものは全て放棄している。

人気が出るであろう要素を詰め込んだ商業性の高いエロゲとして仕上がっている。

 

正直な話をすれば、「完全に目新しいもの」までは求めないにせよ、物語に作り手の考えや意見、主張を少なくとも感じたいなと自分は思っている。

上記の理由からかわからないけれど、今回の作品はそういうの一切見えなかったんですよね。

それがなんというか………誤解を恐れずに言えば「気持ち悪い」と感じてしまった。

 

「面白いと感じられるのであればそれでいいじゃん」と言われたらその通りなんだけど、なんか自分の中でストンとこなかったです。

 

 

 

 

長々と書いてしまいましたが、やはり最終的には素晴らしい作品だったという結論に落ち着きます。

 

ロープライスによる分割商法

長いエロゲの歴史で積み上げてきたノウハウを結集させたような作り

キャラゲー好き、シナリオゲー好き、どちらにも歩み寄った作り、マーケティング

 

これらの全てが今後のエロゲ業界の一つの指針になるのかなーと思っています。

 

繰り返しになりますが、いくら目新しくないとは言え、「面白い要素をかき集めて一つに集約して面白いものを作る」というのは生半可な技術で出来ることとは到底思えないです。

それを見事に一つの「集大成」として作り上げたぱれっとを初め、作品制作に関わった人たちに最大限の賛辞を。

 

何か意味深な終わり方してたし、続編やFDやるなら買います。(あの終わり方で良いと思うけど…)

 

GW、楽しませてもらいました!!!

あと一日何しよう・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P.S.

分割商法はクソ(商法で点数5点以上下げたからな???)