【ゲーム感想・評価】ひこうき雲の向こう側
2014年にFLATから発売された最近話題のさかき傘氏がシナリオを務めるゲーム
さほど気になっていたゲームというわけでもないが、ショップでふと目に入ったので購入
そして『あの晴れわたる空より高く』をクリアしたままのエロゲモチベでこの作品を3日もかからず一気にクリアした。
こんなことしたの僕のエロゲ全盛期である6,7年前以来だわ・・・
【ストーリー概要】
初恋の女の子が両親の再婚によって妹になり、それが理由に主人公は生徒会長で学園1の美少女からの告白を振ってしまう。これが契機となって恋に恋する同級生の美汐瑛莉に目をつけられ、天体観測部改め恋愛観測部に入部させられることになり彼女に振り回される日常を送っていくことになる…というもの。
【評価】
・ストーリー
恋を知らない主人公やヒロインが~や義妹が~というのはあるあるな恋愛物の設定。実際、義妹の個別ルートは至って平凡だし、あるあるな作品の域を出ない。
この作品の特筆すべき点はこの恋を知らないという美汐瑛莉(画像の赤髪の女の子)ルートの質だろう。明らかにこのルートだけ力が入っており、瑛莉が徐々に恋を知っていく様や、楽しいことを見つけられないと物語序盤に言っていた瑛莉が自分の居場所を見つけて大事にしていく様はよく描かれている。また、ED後の演出は実に凝っており、ネタバレになるためあまり多くは書けないが、主人公と瑛莉、またその周りの人物のその後が描かれていて、特に最後の最後のシーンでは「好き」というただ一言に感動させられる。
そして、僕が評価したいのは文章の読みやすさである。これに関しては合う合わないや感覚的なところがあるので深くは語れないが、スッと入ってくるテキストであった。
・キャラクター
先にも述べた実質的メインヒロインの美汐瑛莉はけっこう好き。(公式サイト見る限り妹がメインヒロイン?)あのサバサバしてて友達感覚で付き合える女の子が好みっていうのもある。
生徒会長もどのルートでも最後に手を差し伸べてくれるしけっこう好感度高い。少なくとも僕が一つ前にプレイした『あの晴れわたる空より高く』よりは好きになれるキャラが多い。
・音楽
作中BGMの「止まない雨はないから」、これは本当に良い。プレイ前から知ってるBGMだったがプレイしたらより一層好きになった。それ以外ではOPED含めて引っかかったBGMは特にないが、これだけで価値があると言える。
・グラフィック
CG絵はけっこう好き。ただ特筆すべき点であるようにも思えない。
・その他
この作品で最も残念だったのが誤字・脱字やバグである。多少の誤字・脱字はエロゲには多くあるし、少しであればあまり気にしない方だが、この作品はあまりに多い。多すぎてプレイ途中でパッチを探してあてたが、ほぼ改善されなかったのも残念である。顔の表示がずれていたり、間違った立ち絵が出てきたりするバグも散見され、ここはしっかりして欲しかったなーといったところ。
【感想】
総合すると75点ぐらい
まず、先述の通り瑛莉ルートは非常に良かった。あまり恋愛一本に絞ったエロゲは最近はやらなかったのだが、こういう純愛的なのものたまには良いなーと思えるぐらいの出来だった。実に気持ち悪い話であるが、小学校低学年以来誰かに恋したことがなく瑛莉に近い感覚の自分としてはのめり込みやすかった。
ただ、他の個別ルートがあまりにも平凡すぎる。特に妹ルートなんて「えっ、これだけ??」って言葉が出たほどである。また、誤字・脱字の類が多すぎたのもマイナス評価。
瑛莉ルートだけであれば「止まない雨はないから」の評価も含めて85点ぐらいはつけてもいいかもしれないが、他が足を引っ張るという残念さも垣間見える出来であった。
【総括】
6,7年前を思い出すような勢いでプレイしたため、面白かったというのは確かである。同じライターの『金色ラブリッチェ』もプレイしたいと一層思える内容ではあった。
さて、積みゲーをかなり消化したことだし、次は何の作品をプレイしようか・・・
誰かオススメとかありませんかね???